こんにちは。東京大学で博士を取得し、クレジットカードの使い方を研究しているクレカゼミナールのゼミ長です。
今回は、私たち夫婦が新婚旅行として企画し、実行に移した「マイルを活用したビジネスクラスでの世界一周旅行」の実体験を記録した旅行記の第1弾をお届けします。航空券の手配から、高騰する欧米のホテル代・通信費への対策まで、事前の準備プロセスを詳細に記録しました。
目的地の決定とルートの設定:パリ、ウィーン、ロンドン、ニューヨークを繋ぐ世界一周の旅
旅行の計画を立てる際、まず直面したのは「どこへ行き、どのように回るか」という点でした。
当初から具体的なアクティビティが明確に決まっていたわけではありません。ただ、妻には「パリとウィーンに行ってみたい」という憧れがあり、私には「以前訪れたニューヨークに行き、もう一度本場のミュージカルを見たい」という強い希望がありました。そしてどうせだったらロンドンにも寄って見たいという漠然とした願望がありました。
これら欧州の3都市と北米の1都市を巡る希望を実現するため、ワンワールド加盟航空会社のネットワークを組み合わせ、以下のように全7区間にわたるフライトスケジュールを組み上げました。
ルートの作り方については以下の記事でも詳しく解説しています。
| 搭乗順 | 出発地 → 到着地 | 利用クラス | 便名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 羽田 (HND) → ヘルシンキ (HEL) | ビジネスクラス | JL0047 |
| 2 | ヘルシンキ (HEL) → ウィーン (VIE) | ビジネスクラス | AY1475 |
| 3 | ウィーン (VIE) → マドリード (MAD) | ビジネスクラス | IB0798 |
| 4 | マドリード (MAD) → パリ/オルリー (ORY) | ビジネスクラス | IB0573 |
| 5 | パリ/シャルル・ド・ゴール (CDG) → ロンドン/ヒースロー (LHR) | ビジネスクラス | BA0311 |
| 6 | ロンドン/ヒースロー (LHR) → ニューヨーク/JFK (JFK) | ビジネスクラス | BA0115 |
| 7 | ニューヨーク (JFK) → 羽田 (HND) | ビジネスクラス | JL0003 |
このルートの総飛行距離(総区間マイル数)を計算すると「14,001〜20,000マイル」の距離帯に収まります。これを日本航空(JAL)のワンワールド特典航空券で手配した場合、ビジネスクラスで必要なマイル数は1名あたり120,000マイルとなり、夫婦2名で合計240,000マイルが必要となります。
通常の単純往復やオープンジョーで手配しようとすると、航空券の価格は非常に高額になります。しかし、世界一周航空券の仕組みを利用することで、希望都市を合理的に回ることが可能になりました。また、約2週間で複数の大陸を渡り歩くスケジュールにおいて、現地での活動の質を担保するためにも、疲労を軽減できる全区間ビジネスクラスでの移動は必須条件だと判断しました。
実際に私がどのようにして24万マイルを貯めることができたのかという記事は以下の記事も参考にして見て下さい。
24万マイルで掴むビジネスクラスの世界一周旅行券と、立ちはだかる「燃油サーチャージ」の壁
この夫婦2名分のビジネスクラス世界一周特典航空券を発券するために、これまで戦略的に貯め続けてきた24万マイルを投下しました。
有償で同ルートのビジネスクラスを購入すれば数百万円に達することを考慮すれば妥当な選択ですが、決して「完全に無料で旅行ができるわけではない」という事実も認識しておく必要があります。
激戦のJFK→HND。予約の要は「360日前」のスケジュール管理
さらに、ビジネスクラスの世界一周枠は常に激戦です。全行程を一括で手配することは難しいため、各航空会社が特典航空券の枠を開放するタイミングに合わせて、1区間ずつ旅程を組み立てていく必要があります。
予約の仕方についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。
中でも最も困難を極めたのが、最終行程である「ニューヨーク(JFK)から羽田(HND)への日本航空(JAL)ビジネスクラス」の確保でした。この路線にはJALの最新鋭フラッグシップ機である「A350-1000」が投入されており、その最新個室型シートを体験したいという需要から、世界中から予約が殺到します。
私たちは搭乗のちょうど360日前の予約開始時刻に合わせてPCの前に張り付き、Webシステムから一気に予約を叩き込みました。この徹底したスケジュール管理と執念により、結果として予定通りの全区間ビジネスクラスを確保することができました。
SPG時代からのクレカポイントが活きる。欧米ホテル高騰に戦うホテルポイント戦略
高額な燃油サーチャージの支払いが発生したからこそ、現地での「宿泊費」のコントロールが旅行全体の予算管理において極めて重要な意味を持ちます。
現在、欧米の主要都市で一定水準以上のホテルに宿泊しようとすると、1泊あたり5万〜10万円という価格帯が標準になりつつあります。ここで絶大な威力を発揮したのが、かつて保有していたSPGアメックス(現マリオットボンヴォイアメックス)時代から長年計画的に貯めてきたマリオットのポイントと、現在メインで活用しているヒルトンのポイントです。
マリオットボンボイプレミアムカードとヒルトンアメックスの比較の詳細記事については以下の記事も合わせてご覧ください。
ヒルトンについては、決済等で貯まったポイントに加え、カードの継続特典である「ウィークエンド無料宿泊(1泊分)」という強力な権利を行使しました。今回の滞在先と、ポイントによる宿泊費の削減状況は以下の通りです。
| 都市 | 宿泊数 | 活用したプログラム等 | 有償時の概算費用 | 利用ポイント・特典 |
|---|---|---|---|---|
| ウィーン | 3泊 | マリオットボンボイ | 1泊 約16,500円(計 約49,500円) | 合計 77,500pt |
| ロンドン | 3泊 | ヒルトンオナーズ | 1泊 約55,000円(計 約165,000円) | 合計 150,000pt + 週末無料宿泊1泊 |
| パリ | 3泊 | 実費(マグダ・シャンゼリゼ) | 1泊 約40,000円(計 約120,000円) | -(立地重視で有償手配) |
| ニューヨーク | 3泊 | マリオットボンボイ | 1泊 約71,000円(計 約213,000円) | 合計 135,000pt |
※有償時の概算費用は予約時点のレートによる目安です。
パリでの選択:あえて有償で選んだ「マグダ・シャンゼリゼ」
パリでの滞在については、外資系チェーンのポイント宿泊ではなく、凱旋門近くのブティックホテル「ホテル マグダ シャンゼリゼ(Hotel Magda Champs Elysées)」を実費で手配しました。
チェーンホテルでポイント効率を追求することも重要ですが、パリの街並みを満喫するためには、アクセスの良さと現地の雰囲気を感じられるホテル選びも大切です。ウィーン、ロンドン、ニューヨークという大きな出費をポイントでしっかりカバーできたからこそ、パリでは立地を最優先にした有償宿泊という「メリハリのある選択」が可能になりました。
パリでの実費を除いても、長年育ててきたポイントシステムを活用したことで、約42万円以上もの現金流出を防ぐ結果となっています。
世界一周旅行の必需品!ahamoと「いつでもカエドキプログラム」の最強運用
複数カ国を周遊する際、現代の旅行において最も重要なインフラの一つが通信環境です。
私たちは普段、国内ではau回線を利用していますが、今回の旅行にあたり海外での主要な通信手段としてNTTドコモの「ahamo(アハモ)」を追加契約しました。ahamoは追加料金なしで海外ローミング(基本プランで30GBまで)が利用できるため、渡航先ごとにSIMカードを購入したり、Wi-Fiルーターをレンタルする手間が省けます。
ahamoについての詳しい記事は是非こちらもご覧ください。
リスク分散のためのサブ端末調達
さらに、通信の安定性とセキュリティを担保するため、メインのスマートフォンとは別にサブ機を調達しました。ここで活用したのが、ドコモの「いつでもカエドキプログラム」です。このプログラムを利用してahamo回線とともにiPhone 16等の最新機種を購入し、一定期間後(今回は実質的な負担を最小化するタイミングで)に端末を返却する仕組みを活用することで、初期費用や月額負担を抑えつつ、高性能な予備端末を手に入れることができました。
これにより、万が一メインのスマートフォンを紛失したり、スリに遭ったりした場合でも、通信手段と決済手段(サブ機に入れた予備のクレジットカード情報など)を確実に確保できる体制を整えました。
まとめ
今回の準備編では、妻と私の希望を叶えるワンワールド・ビジネスクラス世界一周航空券の発券プロセスから、立ちはだかる燃油サーチャージという現実、そしてそれを相殺するためのホテル・通信の戦略について解説しました。
行き当たりばったりの旅行も楽しいものですが、今回のような大規模な旅程においては、事前のデータ収集と合理的なシステム構築(マイル・ポイントの活用)が、旅の質を決定づける大きな要因となります。
次回からは、いよいよ出発です。最初の目的地であるウィーンでの滞在記と、具体的なフライトの様子についてお届けします。







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