こんにちは。東京大学で博士を取得し、クレジットカードの使い方を研究しているクレカゼミナールのゼミ長です。
度重なる燃油サーチャージの改定や運賃ルールの変更により、せっかくマイルを貯めたのに、いざ予約しようとすると数万円から数十万円の手数料が請求され、本当に得をしているのか分からなくなったという経験はないでしょうか。
特典航空券は決して完全に「無料」というわけではありません。マイルがカバーしてくれるのはあくまで「運賃部分」のみです。せっかく獲得したマイルの価値から、実際に支払ったコスト(各種手数料や税金)を差し引いて、いかに手元に残る価値(純報酬)をプラスに保つかが、マイル運用の本質と言えます。この価値を最大化するための合理的なアプローチは、各航空会社が設定している「ルールの違い(提携会社の燃油代免除や、距離に基づいたチャートの活用)」を適切に突くことにあります。
JAL特典航空券は「完全無料」ではない。燃油サーチャージ高騰の現実
欧州エコノミークラスでマイル単価が低下する「一律課金」の仕組み
JAL運航便の欧州路線において、ビジネスクラス・エコノミークラスを問わず往復112,000円(※2026年5-6月発券分のデータ。7月以降は往復13万円への値上げが発表されています)の燃油サーチャージが一律で課金されます。
この「一律での課金」がもたらす結果について、少し数字を当てはめて考えてみましょう。もともとの正規運賃が高いビジネスクラスであれば、手数料の占める割合は相対的に低くなります。しかし、運賃の安いエコノミークラスでは、総費用の大半を燃油代が占めてしまうことになります。結果として、1マイルあたりの価値が大幅に目減りしてしまう仕組みです。
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燃油サーチャージ無料で安く発券する「JMB提携社特典航空券」の活用
ハワイやヨーロッパ路線の燃油代を免除する提携航空会社の選び方
JALマイレージバンクの公式ルール上、アライアンス提携社の中には「燃油サーチャージを徴収しない(免除される)」航空会社が存在します。こうした公式ルールの違いを考慮して活用することがポイントです。
私自身がハワイへ渡航した際、燃油代が高額なJAL自社便を避け、提携社であるハワイアン航空の特典航空券を選択しました。これにより、手出し現金を圧縮し、マイル単価を引き上げることができました。
| 項目 | JAL自社便(東京-ホノルル往復) | ハワイアン航空(東京-ホノルル往復) |
|---|---|---|
| 必要マイル数 | 変動(40,000マイル〜) | 固定(例:45,000マイル〜) |
| 燃油サーチャージ | 約40,000円〜(※基準月変動) | 0円(免除) |
| 結果的な手出し現金 | 燃油代+諸税で高額になる | 諸税のみに圧縮される |
同様に、欧州路線においてもエールフランスなどを利用することで、公式の規定に基づき燃油代をゼロに抑える合理的なルートを組むことが可能です。
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ロンドン発の航空諸税に注意。「座席ピッチ40インチ」で数万円変わる税金の規定
燃油代を免除できたとしても、現地の税金というコストが残ります。特にイギリスの航空旅客税(UK APD)は、飛行距離と「座席のピッチ(広さ)」という物理的な基準で厳格に規定されています。
この高額な税金を回避しつつJALのプレミアムエコノミーを利用するためには、ロンドンからの直接帰国を避け、JAL直行便が就航しており航空旅客税が比較的安価なパリ、フランクフルト、あるいはヘルシンキなどを出発地としてルートを組むことが合理的な選択肢となります。
ワンワールド特典航空券でおトクに予約。距離制チャートを使った周遊ルート
予約困難なJAL直行便を回避。提携社の経由便で座席を確保するアプローチ
ロンドンやパリへのJAL直行便ビジネスクラスは特典枠が極めて少なく、予約の確保が困難です。
ここで、ワンワールド特典航空券の「距離制(TPM)チャート」を活用するという視点が役立ちます。キャセイパシフィック航空(香港経由)やアラスカ航空(シアトル経由)など、提携社のハブ空港を迂回することで、予約の確実性を高めるアプローチも有効です。
最大8区間・途中降機7回までという公式ルールを利用し、単なる乗り継ぎを「複数都市の周遊」へと昇華させることが、旅の質を高める一つの有効な選択肢となります。
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【実例公開】20,000マイル上限で欧米7区間を周遊するビジネスクラスの取り方
実際に私が発券した実例として、「TYO-HEL-VIE-MAD-ORY / CDG-LHR-JFK-TYO(全7区間)」のルートをご紹介します。総距離19,322マイル(20,000マイル上限内)に収めつつ、イベリア航空等を使って欧州内を接続したパズルの完成図です。しかも全区間をビジネスクラスで発券することができたので、夢にみた「ビジネスクラスで世界一周旅行」を実現したのです。
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ルールと距離を緻密に計算したはずでしたが、いざ発券の段になると大人2名で約34.5万円という高額な諸費用が請求されました。しかし、このルートのビジネスクラスを有償航空券で購入した際の相場価格から、手出しの34.5万円を差し引き、必要となった12万マイルで計算を行うとどうなるでしょうか。冷静に数字を分析すれば、これが大きなプラスのリターンを生む合理的な選択であることが分かります。
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マイルの有効期限に焦らない。手出し現金と価値で判断する出口戦略
損をしないための基準。有償運賃の相場とマイル行使の機会費用を比較する
マイルの有効期限が切れるからという理由だけで、不適切な特典航空券を発券してしまうことは、結果的に手出しの現金(埋没費用)を増やすことになりかねません。常に有償のセール運賃と比較し、現金で支払った場合とマイルを行使した場合のどちらが最善かという視点を持つことが重要です。
ご自身の目的に合わせて、客観的ルールに基づいた正確なルート設計を行ってみてください。各個別記事にて詳細な解説へお進みいただけます。

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