【世界一周への第2歩】ワンワールド世界一周特典航空券の予約戦略 | 予約開始の時差の罠と逆算予約戦略のススメ

マイル・特典航空券戦略

こんにちは。東京大学で博士を取得し、クレジットカードの使い方を研究しているクレカゼミナールのゼミ長です。

前回の記事では、世界一周旅行のルート設計について解説しました。

しかし、必要なマイルを貯め、じっくりルートを計画したにもかかわらず、いざHPから予約をしようとすると「その便はまだ発売前です」「すでに満席となっています」と断られ、計画の変更を余儀なくされた経験はないでしょうか。

本記事はシリーズ第2弾として、ワンワールド世界一周特典航空券の予約において、なぜ希望通りの予約を取ることが難しいのか、その構造的な理由をシステムの仕組みから解説します。解決策として、最初の便から順番に予約していくのではなく、一番手配が難しい便の発売日に合わせて全旅程をまとめて手配する「逆算戦略」が有効なアプローチになります。

この記事では、実体験に基づき以下の3つのポイントについて解説します。

💡 結論・サマリ

この記事でわかること

  • 各航空会社における予約開始日の時差とシステムの仕組み
  • 「とりあえず仮予約」をおすすめしない理由(手数料と座席キャンセルの実態)
  • 最も予約が困難なフライトから一括手配する「逆算手配」の全手順

希望の便が取れない原因は「各社の予約開始日の時差」にある

ルートが決まった後、実際に予約を完了させるまでに立ちはだかるのが、超人気ビジネスクラスの予約争奪戦です。その中で各社で座席が予約できるようになるタイミングの違いが、一番の壁になります。

JALの特典航空券は搭乗の360日前の午前0時(日本時間)に予約が始まりますが、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は355日前の午前0時(GMT)、アメリカン航空(AA)は約331日前と、航空会社ごとに明確な時差が存在します。さらに、他社システムで361日前に座席が解放される場合であっても、JALマイレージバンク(JMB)のシステムでは「360日前」が上限となっているため、JMBから予約を行う場合は構造的に出遅れてしまうのです。

したがって、旅程の第1便から順番に予約しようとすると、システム上どうしても手配が難しくなります。たとえば、第1便の予約開始日(搭乗360日前)にHPで予約をしても、数日後に乗る予定の第2便(たとえば355日前開始のBA)はまだ「発売前」の扱いになるため、世界一周の通し発券として旅程を確定させることができないのです。

「とりあえず仮予約して後で変更」をおすすめしない理由

「とりあえず空いている枠を押さえて仮予約し、後で日程や便を変更すればいい」という戦法は以前は紹介されていました。しかし、この方法には注意すべき2つの理由があります。

  1. 予約変更に伴う手数料のコスト: 空いている枠を仮押さえして日程変更していく場合、1回の変更につき5,500円(税込)の航空券取扱手数料が発生します。変更を繰り返すたびに費用が積み重なっていく点は無視できません。
  2. 座席キャンセルの実態: 一旦確保した枠を手放して日程を組み直す際の座席に関する問題です。現在の航空券予約システムの仕組みでは、キャンセルされた特典枠のビジネスクラスが、すぐに空席としてシステムに戻る保証はありません。通常の有料の航空券の枠に吸収されたり、すでに待機しているキャンセル待ちの乗客に割り当てられたりする可能性があるため、一度手放した席を再び確保することは非常に困難です。

最も予約が困難なフライトに合わせて発券する「逆算手配」の進め方

このような条件の中、希望のフライトを予約するためのアプローチは、旅程の中で一番予約が難しい便を「最大の難所」と捉え、そこを基準に予約を進めることです。

具体的な予約方法として、この路線の予約開始日時(搭乗の360日前の午前0時)に目標を定め、そのタイミングで過去にさかのぼって全旅程を一度に完成させる逆算の手順をおすすめします。一番の難所となる希少な路線を中心的に確保し、それに合わせて他の旅程を確定させるという考え方です。

まず、事前に乗りたい便が予約開始からどのくらいの時間で埋まるのかを数日間にわたって観察し、需要のスピードを正確に把握しましょう。私が実際に予約した際は、北米から日本へ帰国する便(例:JFK発HND線のビジネスクラス)は、予約開始から20分程度で満席となりました。路線や時期によって変動しますが、極めて競争率が高い路線でした。

⚠ 注意点

注意点
全行程2週間の旅程で、最終便の360日前に全手配を狙う場合、最初の第1便は、予約開始からすでに14日間が経過している状態から空席を探すことになります。したがって、この戦略を成功させるには、第一便には「予約開始から時間が経過してもビジネスクラスの空席が残りやすい、少し不人気な欧州路線(羽田〜マドリードやヘルシンキなど)」をあえて組み込む、あるいはブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のように予約開始日がJALより少し遅い航空会社を活用するといったルート選定の工夫が必須になります。(改めて第一回のルート選定をご覧ください)

実際に、私はこの逆算アプローチと路線選定の工夫を用いて無事世界一周旅行を全ビジネスクラスで2名分予約することができました。参考までに、私が発券したeチケット(2024年12月発券)の旅程の一部をご紹介します。

搭乗スケジュール例

  • 11月14日:羽田発 ヘルシンキ行き(JAL便 / ビジネスクラス)
  • (中略:ウィーン、マドリード、パリ、ロンドンなどを周遊)
  • 11月28日:ニューヨーク(JFK)発 羽田行き(JAL便 / ビジネスクラス)

最後に搭乗する一番の難関「11月28日 JFK発 羽田行き」の予約開始日(360日前)に目標を定め、そこから逆算して一括で電話手配を行いました。第一便(羽田発ヘルシンキ行き)はすでに14日が経過していましたが、比較的座席が残りやすい路線を選択していたためビジネスクラス枠を無事に確保でき、全旅程を一度の電話で完成させることができたのです。

ルート変更にも対応できる「プランB」の重要性

また、特典航空券による世界一周を成立させるためには、「絶対にこの日の、この便に乗らなければならない」というこだわりを捨てる柔軟性が不可欠です。アメリカン航空(AA)の枠が確保できなければ、先述したようにブリティッシュ・エアウェイズ(BA)を利用して経由地を変更するなど、常に「プランB」を用意しておく柔軟な設計が求められます。

ワンワールド世界一周特典航空券の予約においては、事前に各路線の傾向を観察し、各航空会社のシステムの仕組みを理解した上で逆算して設計することが、予約を成功させるための有効な戦略です。

JALマイル攻略の全体像や、他の最適化手法については是非こちらのロードマップをご覧ください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました